結局、彼女はおじさんに話しを聞いてほしいからかは分からないけれど、自分でそれほど石を買えないので、友達をおじさんのところに連れて行くようになった。
わたしたちのバイト先の女の子も何人か連れて行っているようだ。

何人かに話しを聞いた。
彼女がブレスレットのメンテナンスに行くから、と交通費は彼女持ちで京都まで行ける、と喜んでついて行ったという。
最初は、まぁまぁの価格で、綺麗なブレスレットや印鑑を作ることができ、皆喜んで帰るのだとか。

それが、自分もブレスレットのメンテナンスに、と思って２回目ついていくと、良くないことが起こる、とか、身近な人に良く思われていないとかの理由で高価な石でのブレスレットや印鑑をすすめられる、とか。

わたしが話しを聞いた子は、考えてまた来ます、と上手に断って逃げたらしいのだけれど、中には２本目のぶれすてっとや印鑑をローンで購入した子もいると聞いてしまった。
そのほとんどが、怖くなり、それ以上京都について行く人はいないらしいのだが、それに比例して、彼女と距離を置く友達も増えてきている。

どうして、身近な友達より、おじさんに話しを聞いてもらうことを大事にするのだろう？
わたしには理解できないけれど、彼女の中の何かがそれを求めているなら仕方がない。
と同時に、自分では彼女の支えになれないことを感じ、寂しくなってしまった。