2本目のパワーストーンブレスを作ってから1ヶ月もたたずに、彼女はひとりでおじさんの元へ。
わたしも誘われたけれど、2本目を作って満足したわたしは、交通費を使ってまでまた京都へ行く気になれず、バイトのお休みもバラバラだったので、次回は一緒に行こうと約束しただけだった。
ただ、たて続けに京都へ行く彼女に、少し不安感はあったのだけれど。
そういえば、お店の書類に印鑑を押す時に彼女があのパワーストーンの印鑑ではなく、新しいパワーストーンのもっと大き目の高そうなものを使っていたのが気になった。
彼女が京都から帰ってきた翌日、バイトが同じシフトだった。
彼女の腕には新しいブレスレットが・・・。
一番初めに2人で記念に買ったブレスレットがその腕になかったことに少しさびしさを感じる。
そんなわたしの気持ちに気づかず、彼女は京都での話しをしてくる。
おじさんの店先で、なんと3時間も話しをしていたそうだ。
何人がかお客さんも来たらしいのだが、おじさんは嫌な顔ひとつせず、自分の隣りにイスを出してくれたとか。
彼女の話しをずっと聞いてくれて、今は金運より魔よけのパワーが必要だという。
「それ、なんの石なの?」
と聞くと、嬉しそうに、
「ルチルクォーツ。」
10万円を超える金額に、わたしは驚いた。
おじさんは彼女を信頼して、分割でも良いと言ってくれたらしい。
迷ったけれど、彼女は近くの銀行へ行き、やっと貯めた貯金からその金額をパワーストーン印鑑を押して下ろしてきたとか。
「これのお陰で、気持ちが強くもてる。」
と、明るい彼女の表情と正反対に、わたしの気持ちが沈んでいくのを感じた。 |